作品を作るときのこと(販売したい方へ&生徒さんたちへお願い)

私が始めた時よりもずっとつまみ細工が流行っているようで
ハンドメイドのひとつとしてよく知られてきてるこの頃です。
絶版の本を探して図書館めぐりしたり古書で高く買ったり、
再販になるように署名?みたいなそんなことがあったりした頃が懐かしいですが、
今はいろんな作家さんの本が本屋さんで簡単に手にとれるようになりました。

もう作家として手づくり市などで売ってる方も、
これから売りたいと思ってる方もいらっしゃると思います。

ヒラソルの教室では、作家志望の方お断りとは言いません。
そこはマナーの問題で、自分でお金をいただくことを目標とする以上
できていなければいけないと思っていることが色々あるので
念のためにちょっと書いておこうと思います。
ここに書くことだけで十分なわけではなくて、最低限のことですが、
そこも守れない場合、
他の大切なことも難しいのではないかな・・・と思うような、そんなことです。

つまみ細工は、東京と千葉の伝統工芸品に指定されていて、
伝統工芸士さんがいるもので、その手法に習って作るものです。
江戸時代の昔からある手法なので、オリジナルというのは難しいものではありますが
デザイン的なところでの意匠について、
作家ごとの独自色を出しているものと思います。

教室で習った・本で見た、そのものや色違いなだけで、
オリジナルだと言って売るのは、作家さんたちの権利侵害になります。
きちんと「教室で習っているものを売ってる」と言っていただくか、
自分で悩んで考えて形を作りだした別のものを売るか。
そして、そこには材料費だけでなく自分の作業分の人件費も入った価格で
自信を持って売っていただきたいと思います。

幼稚園・保育園のバザーに出すというのと、
作家を目指して販売する、というのは目的が全く違うので
そこに注文が入って大量に作ることになっても
赤字で苦しむしかない値段設定になっていると
自分も大変なだけでなく、つまみ細工の価値も下がってしまいます。

作家になりたい方は当然自分で「値段の決め方」とか
買い出しに行ったときの交通費とか送料とかも含めるとか
そんなことは知ってるはずですね。
大事な人件費をお忘れなく!(^^;)

作品展に出すオリジナルのを作る場合も同じですね。
本で見たのをそっくりそのまま色違い、ではオリジナルにはなりません。
自分の頭をうんうん悩ませて、あーでもないこーでもない、と
試行錯誤した上で出来上ったものにしましょう!

教室で作っている作品を、マネするのも、マネしたのを売っちゃうのも
ほんとに簡単なことです。
私に言わなければ分かりません。
私も目くじら立ててそれを探して糾弾したり、したくありません。
(そんな暇も時間もありません)
が、それをしてることは自分が知っていますよね。
そして私がそのことを知ったら、きっと、寂しいなぁと思います。
相談してほしかったなぁと思うと思います。

出来上った見本を見て、私たちが作るのを見て簡単そうだし
すぐできるわ、と思う方もいると思います。
あの人にできるんだから私にだって、と思ったり。
でも、そこに至るまでの、技術習得の時間とお金と労力、
自分でアレコレ考えて形にする、生み出す労力のこととかを想像してください。

同じ時代に生きて、同じ国でほぼ同じような環境で暮らしている私たちは
きっと考えることも大きく見ればそんなに変わらないと思います。
だからこそ、守らないといけないこともあると思います。
過去の自分の失敗・反省も踏まえながら書いています(^^;)

ものづくりとして、つまみ細工製作販売を考えてるかたへの
お願いと注意点でした。

つまみ細工教室があちこちにあります。
いろんな先生に習ってみるのは、いいことだと思います。
広くとらえる視野が広がるし、いろいろな技法を勉強できるし
おんぶにだっこにならず、自立した大人としてやっていけるし。
ただ、それを勉強してきた方は、他の教室では別の方のことを
皆に「こうだったわよ!」とか言わないでおいてください。
その教室ではその先生の、方針や、教える手順、やり方があります。
郷に入っては郷に従え、ですね(^^;)
私のところでは、他の先生に習ったことがあるのを
隠されるよりは教えてもらえる方がうれしいです。
その方が、その方にあったポイントをお伝えしたり、
この方がやりやすいかも?と提案したり、
近道になることもあるかもしれないから。

おそれずに、相談してみてください!

何にしても、最初にやってみたいなと思ったときの気持ちを忘れずに
楽しんで作りましょうね!\(^o^)/


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